セクハラ

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原寸サイズ(注:デカすぎて重いよ)

クレイグ×劉で浴衣の先輩に野外でセクハラ!※ボスは手だけの出演
セルフ二次(本編には何の関係も無いw)ですがすごく気に入ってる絵なので見てください!!!

場所は人気の無い建物の裏とかそんなとこです。
ちなみに二人は恋人同士でもなんでもない設定←(クソや…) ボスのキャラ完全崩壊。


やっぱり妄想の赴くままにこういうの描くのが一番楽しいですね…!
今後も萌えと欲望に忠実に生きていきたいです。

あ、今後はふっつ~にセルフ二次だろうがBLだろうが何でもここに載せるので。よろしくです(プロフにも書いたから見てね)

ポッキーの日…ではないけれど

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「お前も食うか?」

三ヶ月ぶりくらいに絵を描きました!

ポッキーの日もスルーしちゃいましたとか言っときながら、結局描いてるのかよっていう…(笑)
もともと描く予定は無かったのに、なんだか急に描きたくなってしまって!描かねばと!!


↓おまけの落書き。

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健二に差し出してました、的な。

ポッキーげぇむはしません(笑)
そして、2148年だということはどうか気にしないでやってください。

未来への追憶 第五話 - 05

* * *


 レイは一度拠点の自分の部屋に戻って私服に着替えると、SGAの本部を経由して外へ出た。本部のだだっ広いエントランスの先にある自動ドアを抜けたとき、ちょうどエントランスの脇にある地下駐車場の入り口から数台の車が滑り出てきた。黒い車の列はレイの横を通り過ぎて左折し、前方の大通りを走る車の流れに合流する。確か、あれは現在調査部が使用している車種だな、などと考えながら、レイは本部の建物前のロータリーを横切った。
 歩きながら、行く手に高くそびえるビル郡のさらに上空を見上げる。青く澄み切った空には小さな雲がいくつか浮かんでいるだけだった。
 別段はっきりとした予定があったわけではないが、レイはまず、現在の事件を担当する前に暮らしていた家へ足を向けた。以前に健二を連れて訪れたナイトクラブ『ラ・スパツィオ』もその建物内に持つ複合施設だ。その中にある集合住宅の一室で、レイの部屋は賃貸借契約を結んで借りているものだったが、SGAからは家賃の七割に相当する住宅手当を支給されているため、ほとんど使っていない今でも契約は継続している。以前住んでいた家を残しておくことで、阿久津賢士に現在の居場所を特定されにくくするという目的もあった。
 何基ものエレベーターが並ぶホールに到着すると、居住エリア用のエレベーターが下りてくるのを待ってから、まっすぐに自分の部屋がある二十二階へ向かう。このフロアは単身者用の部屋しか無いため、昼間のこの時間帯は皆仕事に出かけているのか、絨毯の敷かれた共用廊下は静まり返っていて、人の気配は無かった。
 生体認証でドアのロックを解除する。部屋の中に入ると、途端にむっとこもった空気に全身を覆われて息苦しくなり、レイは顔をしかめた。おまけに、天気が良く気温も高いせいで、室内はかなり暑くなっている。
 窓を開けて久しぶりの換気をし、長く活躍の機会を与えられていなかった清掃ロボットを稼動させて、部屋の掃除に取り掛かった。掃除といっても、床の塵を取ったり窓を拭いたりするのはロボットの役目で、レイの仕事はいらなくなった物を整理して処分したりするのが主だ。さして広くもない1DKの部屋なので、キッチンやバスルームを含めても、掃除は一時間ほどで終わった。
 次にどうするか考えるためにも、コーヒーを入れて休憩していくことにする。ちょっと部屋の外に出れば、エレベーターで十階ほど上下に移動するだけで、ほっと一息つけそうなカフェなどいくらでも見つかる。だが、内装に凝った洒落た店に一人で入り、ゆっくりと茶を楽しむことに興味が持てないレイにとっては、自分で入れたインスタントコーヒーで簡単にのどを潤し、カフェインで頭をすっきりさせるだけで充分だった。
 窓辺に置いたベッドに腰を下ろし、二十二階からの眺め――とはいえ、周囲にひしめく高層ビル群のせいでたいした眺めでもないのだが、拠点の窓から見る景色とはまた違った魅力はある――を楽しむ。次いで、積もった埃が除かれたことと換気の効果で、爽やかな空気に満たされている気のする部屋を見回してみた。
 わずか一年ほど前までは最もくつろげる場所であったはずの自分の部屋も、SGAの拠点で過ごす日々が続く今ではどこかよそよそしく、馴染みの薄い場所にさえ感じる。
 阿久津賢士の事件を担当するようになって以来、ここにいるとどうしても昔を思い出すせいか、つい寂寥感に襲われそうになるのが常だった。職場や外で誰かと一緒にいるときはそんなことはないのに、今もこうしていると、日差しの足りない部屋の隅から滲み出た哀愁がひたひたと侵食してくるようで、感傷的な気分に陥りそうになる。浮上しかけたそんな気持ちごと飲み下すように、レイは残ったコーヒーを一気にのどに流し込んだ。
 マグカップを片付けると、夏物の衣類など、必要なものを何点か鞄に詰めて再び街に出かけた。目的も無く、通りをぶらぶらと歩く。平日だが、やはり街の中心部は人が多い。洋服やジュエリーのブランド店、飲食店など様々な店が並ぶ歩道は、友達同士おしゃべりをしながら、時折楽しそうな笑い声を立てて歩く若者、ウインドウショッピングをする人々、そして彼らに付き従うロボットなどで溢れていた。レイも左右で賑わう華やかな店舗に何気なく目をやりながら、ゆったりとした足取りで通りを進んだ。
 思えばこのところ、仕事が忙しくてちゃんとした休日らしい休日はあまり取れていなかったし、オフのときも健二がいることから、結局はほとんど拠点にいることが多く、こんな風に一人で時間を過ごしたのは久しぶりだった。
 昔ながらのアーケード商店街の入り口がある辺りに差し掛かったとき、ふと前方の小さな店が目に留まった。ショッピングモールや、家庭用ロボットの量販店――派手な看板とBGMで通行人の関心を引いている――に気を取られていれば見落としてしまいそうな、実に小ぢんまりとした店だ。客席と呼べるようなスペースは無いに等しい狭い店内には人間の店員が一人立っていて、機械ではなく、人の手で作ったクレープを販売している珍しい店だった。
 それを認識するや、不意に記憶のふたが開き、かつての光景が押し寄せるかのような勢いでレイのまぶたの裏によみがえってきた。
 あれは、歩道沿いの桜並木が街を薄紅色に彩っていた春だった。今日と同じようにこの道を歩いていたとき、レイは着ていたトレーナーの袖を軽く引っ張られて足を止めたのだった。

「レイ」

 ふわふわとした綿雲のような、柔らかい響きの声に名を呼ばれて振り返ると、そこにはシンディー・オルコットのはにかんだような笑顔があった。そのときの彼女が、ライムグリーンのカットソーに白のロングスカートという服装だったことまでよく覚えている。淡い色合いに、自然にウェーブがかった長い赤毛がよく映えていた。

「あれ、食べたい」

 言いながら、彼女は通り過ぎたばかりの背後の店の一つを指差していた。それが、今、レイの目の前にある小さなクレープ屋だった。

「クレープ。食べたい」シンディーは幼子を思わせもする、たどたどしい調子で繰り返した。「一緒に食べよう」

 そのとき、シンディーとは反対側――レイの右隣にいたのが日向虎太郎だった。彼も少し遅れて立ち止まると、レイと同じくシンディーの指先が示す方向を目で辿った。
 記憶の映像は徐々に鮮明になり、今やレイの脳裏にありありと浮かんでいる。

「むう、甘味か……」

 ハーフリムの眼鏡をかけていた虎太郎が、もともと細い目をさらに細め、妙に芝居じみた口調で唸る様子もはっきりと思い出された。

「俺は辛党なのだが……しかし、シンディーのためなら」

 普段は必要以上によく通る大きな声で話すくせに、最後の「シンディーのためなら」の部分だけ、消え入りそうな小さな声だった。彼のまっすぐに伸びた長髪が風になびいたとき、レイのものと同じピンクのリボンが、毛先に近い位置でその髪を束ねているのが見えた。
 あのときは、レイがシンディーにクレープを買ってやったのだった。そして、虎太郎とともに自分の分も購入した。
 三人は生クリームやフルーツがたっぷり挟まれたクレープを食べながら、また肩を並べて歩道を歩いた。

「ううむ、やはり甘いな」

 虎太郎はあまり得意でないらしい洋菓子の甘さに四苦八苦して、何度かしかめ面になりながらクレープを頬張っていた。だが、レイやシンディーと同じものを食べること自体は楽しんでいたように思う。そんな彼の口の端にクリームがついているのを見て、シンディーが笑っていた。
 友達は他にも大勢いたが、レイにとって心から親友と呼べるほどの存在は彼らだけだったかもしれない。
 過去を思い出すうち、いつの間にか歩道の真ん中で立ち止まっていたことに気がついたレイは、再び歩きだした。クレープ屋の前を通り過ぎ、さらに先へ進む。足を動かすにつれて、次々と変化していく周りの景色は確かに目には映っているのに、視界からの情報は頭を素通りするかのように入ってこない。レイの意識は未だ、追想のイメージの中にあった。
 虎太郎は独特の堅苦しいしゃべり方ゆえに、初対面ではとっつきにくさを感じさせはするかもしれないが、親友の贔屓目を差し引いても、決して人に不快な印象を与えるタイプではない。生真面目で融通が利かないところはあったが、極端な真面目さと素直さが空回りした結果、どこか抜けている面も持ち合わせていた。本人はふざけているわけではないのに、その言動や行動が周囲の笑いを誘って場を和ませることも度々あり、そんなところに好感が持てた。
 そして、彼は色恋事に関しては非常に奥手で初心だった。彼がシンディーに恋心を寄せていたことは傍から見ていても容易にわかるほどだったが、本人は遠まわしに好意を表す言葉さえはっきりと口にできない、そんな男だった。
 だが、限りなく不器用ではあっても、虎太郎のシンディーに対する気持ちが一途で真剣なものであることは、彼の一番近くにいたレイが、誰よりもよく理解していた。
 適当に歩いていると、それほど大きくない交差点までやって来た。歩行者用の信号は赤だ。向かいの通りに渡るために信号が替わるのを待つことにしたが、特にそちらを目指す理由があったわけでもないので、なんとなく横断歩道から少し下がったところで足を止めた。
 道路を挟んだ向かいには公園が見える。平日だからか子供の姿はあまり無く、散歩をしている人がちらほらといる程度だった。くっきりとした明るい緑に色づいた芝生が、日光をまばゆく照り返している。
 この公園にも、三人でよく訪れた。若い三人には金銭的な余裕もあまり無く、毎度飲食店で金を使うわけにもいかなかったので、共に暇を潰すのには丁度いい場所だったのだ。
 シンディーから虎太郎と揃いのリボンをもらったのも、確かこの公園だった気がする。あれはいつだったか。正確な時期の記憶はすでにぼやけていたが、レイと虎太郎がSGAに入ったばかりの頃だったのは覚えている。おそらく、いつものように三人で木陰に集まって、他愛のない無駄話に興じていたときだっただろう。

「はい、これ」

 突然、彼女は期待の滲んだ微笑を浮かべながら、レイと虎太郎に向かって両手を差し出してきたのだ。彼女の手のひらには、淡いピンク色をしたリボンが二本乗っていた。
 レイも虎太郎も、彼女の唐突な行動の意味をすぐには掴めずに、目をぱちくりさせていたはずだ。レイはシンディーの手にあるリボンと、彼女の顔を交互に見た。

「くれるのか?」

 ようやく彼女の意図を察してたずねると、シンディーは「うん、あげる」とうなずいて、満面ににこりと笑みを広げた。

「レイも虎太郎も、二人とも、髪の毛長いから」
「ああ、髪に結ぶためにくれんのか。確かに、うっとうしいよな」

 言いつつ、レイはシンディーの手からリボンを一本つまみ上げた。虎太郎もそれに続き、遠慮がちに手を伸ばすと、もう一本のリボンを壊れ物を扱うようにそっと指先で持ち上げ、自分の手のひらの上に移動させた。
 あの頃のレイと虎太郎は、仕事やスポーツをするとき以外は長髪をひとまとめに結わえておらず、そのまま背中に垂らしていた。

「綺麗なリボンだな。これ、どうしたんだ?」レイは、わずかに光沢のある細いリボンを眺めながら聞いた。
「家にあったの。たぶん、前にアマンダと一緒に、買ったやつ」
「そっか。でも、俺がつけてたら変じゃねえかな? 俺みたいな男がピンクのリボンってのは、さすがにちょっと恥ずかしいぜ」

 実際に照れくさかったため、シンディーを傷つけないよう気遣いながらも、正直に自分の感想を告げてみた。

「いや、俺はうれしい。すごくうれしいぞ、シンディー」

 間髪入れずに、虎太郎がレイの語尾に被せるような勢いで言った。彼は大真面目な顔でシンディーを見つめ、わずかに頬を上気させながら、ひどく仰々しい調子で続けた。

「その……ありがたい。これは大切に使わせてもらおう」

 虎太郎は物が何であれ、シンディーからプレゼントをもらったという事実に感動を覚えるほどうれしかったようだ。学生時代からの付き合いであるのに、レイたち三人はそれまで、お互いにプレゼントを贈り合うというようなことは特に無かった。誰かの誕生日のときなども、いつもより奮発し、多少豪華な食事を囲んで祝うくらいだったので、そのためもあるのかもしれない。
 その様子が微笑ましくも、態度が大げさなせいでおかしくもあり、レイはくすりと笑いが洩れてしまうのを堪えきれなかった。幸い、シンディーと、彼女がくれたリボンに全神経が注がれていたらしい虎太郎には気づかれなかったようだったが。
 レイも自分の感情などはさておき、虎太郎にならって感謝の気持ちを伝えることにした。

「もちろん、俺もうれしいぜ。ありがとな、シンディー」

 二人から礼を言われた彼女は心底うれしそうに、にこにことしていた。
 そのときからずっと、レイも虎太郎も、シンディーからもらったリボンを髪に結んでいる。最初はやはり恥ずかしかったし、他の友達や同僚にからかわれたこともあったが、毎朝、必ずリボンを髪に結んで家を出ることが、気づかぬうちに当たり前になっていた。いつしかこのリボンが、自分たちの繋がりを示す象徴のようにさえなっていたような気がする。
 シンディーは喧騒に満ちた商業施設や飲み屋よりも、優しく穏やかな時間が流れているこの公園で過ごす方を好んでいた。彼女は、さえずりながら木から木へと羽ばたく小鳥を楽しそうに目で追い、時にはシロツメクサの上を飛んで寄ってきた蝶に喜び、自分の手で羽を休ませようとするように、その細い指を伸ばした。
 彼女はどこまでも純粋で、いつもあどけない表情で柔らかに微笑みかけながら、小首をかしげてレイや虎太郎の話に耳を傾けていた。彼女の子供のような仕草は、一人の女性としての魅力をとうに持ち合わせている外見には明らかに不釣り合いだった。
 虎太郎はそんな彼女が可愛くて堪らないようだったが、レイは彼女に恋をしていたわけではない。触れ方や力加減を少し間違えるだけで、ガラス細工のように儚く壊れそうな彼女のことを、放っておけなかった。日常生活の中に潜むささやかな脅威や悪意から、無垢な心を汚すすべてのものから、誰かが彼女を守らなくてはならない。そして、その役目を果たすのはきっと自分なのだと、レイは思っていた。虎太郎ではなく、自分なのだ。
 レイにとってシンディーは、まるで幼い妹のような存在だったといえる。そして、シンディーがいることによって、レイと虎太郎の友情はより深く、強固なものとなっていた。
 今も、レイの髪には彼女がくれたリボンが結ばれている。今となってはとても大切なものとなった、可憐なピンクのリボン。彼女と虎太郎を無事に助け出すまで、これは絶対に手放すことができない。
 そのとき、間近からの「おい」という声とともに肩を掴まれ、はっと我に返った。回想は唐突に途切れて消え去った。レイは、肩に置かれた相手の手を振り払うような勢いで振り向いた。
 レイのすぐ横に立っていたのは劉だった。よく見知った相手の姿に安堵するが、同時に戸惑いを感じる。いつの間にこんなに近づいてきていたのだろう。レイが思わず「びっくりした」と口に出してしまうと、劉は手を離しながらおかしそうに笑った。

「悪い悪い、何回も呼んでるのに全然気づかないからさ」
「そうだったんすか?」
「ああ。すごい近くで声かけてるのにまったく聞こえてないみたいだったけど、どうしたんだよ?」
「すいません、ちょっと考え事してました。……劉さんはなんでここに? 仕事中っすか?」

 今度はレイの方がたずねながら、改めて劉とその周囲を見回した。彼は、調査部が任務の際に着用する黒のスーツを着ている。一見したところ誰かと一緒ではないようで、一人でレイの目の前に立っていた。
 しかし、劉は向かいの通りを指差して言った。

「調査の任務だよ。僕の担当じゃないけど、調査部に依頼が来てる別の事件の関係で、そこの旅行代理店にちょっと用があってな。たいした仕事じゃないから、今年の春から入った後輩に任せることになるんだけど、まだ慣れてないからさ。その前にいろいろ教えなくちゃいけないんだ」

 レイは劉が指差した方向に目をやった。なるほど、確かに調査部と思しき男女が数人、道路を挟んだ斜め向かいにある小さな旅行代理店の店先に立っているのが見える。
 劉は「で、その役目を僕が頼まれたってわけだよ」と付け足した。

「どこの部署も人手不足っすね」
「ああ。まったくだ」

 劉は大げさに肩をすくめてみせたものの、強く不満に思っているようには見えない。

「俺が昼過ぎに本部を出るとき、ちょうど調査部の車も街に出て行くところを見ましたよ」
「昼過ぎだったらたぶん、僕たちの車だな。レイは今日はオフだったんだな」
「はい。午前中のミーティングだけ参加しましたけどね」

 今日の拠点でのミーティングには、劉は参加していなかった。

「そう言えばさ、さっき――」

 声のトーンを高くして何かを言いかけた彼は、しかし、なぜか途中で口をつぐんでしまった。視線もわずかにレイからずらしている。いったい、どうしたというのだろう。
 彼の鋭い目は、レイの背後を見ているように思えた。怪訝に思い、レイもその視線を追うように後ろを振り返ってみたが、そこには通りを行き交う大勢の人々の姿があるだけで、特に目を引くような気になるものは見当たらなかった。

「どうしたんすか?」レイは顔を前に戻して聞いた。
「いや、なんでもない」

 わずかな間があった後、そう返ってきた。レイは首をひねる。
 一瞬、何かを見間違えでもしたのだろうか? 先ほどの彼の表情は、明らかに何かを見つけたときのものだった。劉にとって気を取られるものが、レイの背後にあったことは確かだろう。それも、おそらく重要なものだ。それなら、レイに隠すわけは何なのか。もしかすると、彼の仕事――阿久津賢士の事件以外の調査も彼は手伝っていることがあるが、そちらの事件の情報なら、基本的にその事件の捜査担当者以外には詳しく話すことはできない――に関することかもしれない、とレイは思った。もしそうであるならば、ここでしつこく聞くのははばかられる。
 もう一度自身の背後と周囲を確認してもやはり何も見つけられなかったため、レイはひとまず彼の言葉を素直に受け取った振りをして、ついさっき彼が口にしかけていた話の続きの方を促すことにした。

「今、何か言おうとしてましたよね」
「あれ、そうだったっけ? なんだったかなあ。たぶん、たいしたことじゃないから別にいいよ」

 明るい笑顔を浮かべ、いかにも適当そうに言ってのける能天気な様子はいつもの彼であるのに、そこでも何か違和感を感じた。

「それより、今からどっか行くのか?」

 もやもやとするものを言葉としてまとめる前に話題を変えられてしまい、そのことについて考えることも、直接問いただすこともできなくなってしまう。

「せっかくの休みだから飲みにでも行こうと思ったんですけど、あいにく友達とは都合が合わなくて。チームのメンバーもみんな今日は遅くまで仕事ですから、どうしようかと思ってたとこっす。たぶん、もう少しぶらぶらしたら早めに拠点に戻ると思います」

 苦笑を交えつつ答えているうちに、胸に引っかかっていたような疑問は薄れていく。

「SGAに入ってからは、学生のときの友達とかとは予定が合いづらくなって、なかなか会えなくなりましたね。今の事件を担当するようになってからは、全然です」
「最近は特に忙しいからな。ここのところ、僕ともしばらく一緒に飲みに行ってないよな」劉は考えるように言ったあと、にっと笑って、寄りかかるように再びレイの肩に手を乗せた。「今日は遅くなりそうだから無理だけど、また仕事の後にでも付き合えよ」
「もちろんですよ。おごってくれるんすか?」
「それは無いな」

 即座に、わざとらしい真顔を作って否定される。

「いや、おかしいでしょ! 部署は違っても先輩なんですし、給料も俺とは比べ物にならないくらい貰ってるんですから、たまにはいいじゃないっすか」

 レイも彼の冗談に乗って笑いながら、突っ込みを入れる。

「しょうがないなあ。気が向いたら、そのうちな。なーんて……おっと、そろそろ仕事に戻らないと」
「あ、そうっすね。お疲れ様です」
「ああ。じゃあな」

 劉は一度ひらりと軽く右手を振ると、車の流れの止まった道路を渡って旅行代理店の方へと戻っていった。レイはその細い背中を見送った。先ほどの違和感については、どうしても気になるのならば、また後日聞いてみればいいだろう。
 自分の部屋を出る前から暗く翳りかけていた気持ちは、いつの間にか晴れていた。
 思い返せば劉の言った通り、最近は捜査チームのメンバーと飲みに行くことも減っていた。阿久津賢士の犯行は激化していたし、ついこの間までは重大な作戦の前だったのだから当然だ。しかし、このまま阿久津賢士の逮捕に近づいていけば、また皆と酒を酌み交わしながら気楽に笑い合える日常が戻ってくる。作戦の第一段階はすでに成功しているのだ。
 すべてを終えたあとのことや、健二のタイムスリップについてはまだどうなるかわからないが、健二のこともまた、バーやクラブに遊びに連れて行ってやりたいとレイは思った。何もかもに馴染みの無い世界で一人不安に苛まれ、心から落ち着くときなど無いであろう彼は、レイにとっては見慣れたこの時代の店や技術を目にして感動を覚え、とても楽しんでいたようだった。例え街に連れ出すことが無理でも、拠点に全員が集まれば、健二も交えて事件の解決を祝うことはできる。いや、事件が解決したのなら、健二だって堂々と外に出ることが可能になるのではないか。そして、その頃にはきっと、またかつてのように虎太郎やシンディーとも――
 そんな想像を巡らせるうちに、レイの口元は知らずほころんでいた。自分たちは今、近くで待ち受けている明るい未来に向かって歩んでいるのだ。暗い気持ちになどなっている場合ではない。想像が現実となるときまで、まだあと少し、しっかりとがんばらなくてはならない。
 レイは希望を胸に、活気溢れる街中をもうしばらく散策するため、とっくに青信号に切り替わっていた横断歩道を足早に渡り始めた。


* * *


 前回の事件に関するミーティングからさらに数日が過ぎたが、拠点での穏やかな日常に未だ変化は無かった。
 健二は昼食を終えたあと、リビングのソファに座って、今ほどレイから渡されたばかりの資料を見ていた。状況が少し落ち着いたことで、ようやく阿久津賢士のプライベートな部分について知ることのできそうな資料が無いかたずねる機会があり、数冊の雑誌を渡されたのだ。雑誌の中に阿久津賢士のインタビュー記事が載っていると説明したレイは、それらを健二に手渡しながら、「こんなもんしかねえから、参考になるかはわかんねえけど」とすまなそうに言い添えた。
 食事はレイとゆかりとアマンダの三人と一緒にとったが、彼らはすぐには本部や自分の部屋へは戻らず、少し離れたダイニングテーブルの方に集まって話をしていた。
 さっそく読み進めた雑誌の内容は、医療の分野などで、人体に機器を埋め込む治療法を取り入れることの必要性について、阿久津賢士が語っているインタビュー。そして、今後すぐに実用化されるであろう新型のロボットや、人間に限りなく近いアンドロイドの開発など、彼の――阿久津コーポレーションの持つ技術について紹介されている記事。それらはこれまでに見せてもらった資料と大差の無い内容で、健二はいささかがっかりした。彼の詳しい生い立ちや家族関係、性格などについて知ることはできない。SGAが再度集めた資料でもここまで情報が得られないのは、さすがに不自然にさえ思えるほどだ。
 ふと、廊下に人の気配がして顔を上げると、ちょうど入り口から劉が入ってきたところだった。彼は「やあ」と軽く健二に挨拶すると、SGAメンバーの誰かに用があるのか、健二が挨拶を返す間も無くソファの横を通り過ぎ、レイたちのいるダイニングテーブルの方へ足早に歩いていった。
 仕事の話なら邪魔をしてはならないと思い、健二は彼らの交わす会話を聞きながら、また雑誌の文字を目で追うことにした。

「あれ、劉さん。またサボりっすか?」

 レイがふざけた調子で言うのが背後から聞こえた。

「違うって。まあ、捜査部にいる方が居心地が良いのは確かだけど」
「そうなの?」アマンダが少し不思議そうにたずねている。
「ああ。部署ごとにだいぶ雰囲気が違うからな」
「劉先輩ったら。別に、調査部もそんなに悪いところじゃなかったじゃないですか」声に笑いを滲ませながら、ゆかりが言う。「確かに、ちょっと硬い雰囲気はありますけど」
「だろ? そこが苦手なんだよ。あの部屋にずっといると、息が詰まりそうになるっていうか……」

 大げさに嘆くような声音からは、どこまで冗談なのかが掴みにくい。

「調査部は他の部署より、重大な機密情報や個人情報を扱う機会が多いですから、硬い雰囲気はそういった影響もあるのかもしれませんね」
「まあ、それもあるな。それに、調査のためにそういうデータを見るときって、部署内で閲覧の申請を出したりとか、面倒な手続きが必要だろ? 調査以外の目的でデータを使おうとしたりする奴がいないかチェックするためだけど、そのせいで、どうしても同僚の行動をお互いに監視しなくちゃいけないようなところも多少あるし。それでピリピリするっていうのもあるかもな」

 そこで、ふと思い出したというように、アマンダが「あ、そっかあ」と声を上げた。

「そう言えば、ゆかりは元々調査部だったんだよね」
「ええ。そんなに長い期間じゃなかったけれど」
「入ってきたばかりの頃は、僕が仕事を教えてたんだ」

 そう言った劉の声は、心なしか得意げだった。

「ふふふ、そうでしたね」

 ゆかりが以前は調査部に所属していたというのは、健二は初めて耳にする話だった。だから彼女だけ、劉のことを今でも「先輩」と呼んでいるのだろうか、と健二はぼんやりと思った。
 視線こそ今も開いた雑誌のページに注いだままだったが、健二の意識はほぼ完全に、後ろから聞こえてくる会話の方に向いていた。

「ところで、レイにちょっと聞きたいことがあって寄ったんだけど」

 突然、真面目な声になった劉が切り出した。

「俺にっすか?」
「ああ。この男に見覚えは無いか?」

 彼はレイに向かってたずねながら、何か写真などの資料を見せていると察せられた。

「いや……」レイは少し考えるような間を置いてから答えた。「たぶん、無いと思うんすけど……この人がどうかしたんすか?」

 健二は好奇心に打ち勝てず、そのときにはすでにソファの上で体をひねり、背後を振り返っていた。やはり、劉がホログラムディスプレイを空中に投影しており、皆がそれを囲むようにして立っている。ディスプレイには何が映っているのか、手前にいるレイやゆかりの背中に阻まれ、ここからではよく見えない。
 健二は立ち上がると、ゆっくりとそちらに近づいていった。

「いや、まだ僕の気のせいって可能性もあるんだけど、実はさ――」

 体を傾けてレイとゆかりの背後からそっと覗いてみると、証明写真のようなバストアップの人物写真と、文字のデータがその横に並んで大きく表示されているのが見えた。
 写真の人物の顔を視界に捉えた瞬間、健二は自分の目を疑った。反射的に思わず「あー! この人!」と、大声を上げてしまう。全員の視線が一気に健二に集まった。

「知ってるのか?」

 劉が驚いたように目を見開いている。彼の手元のホログラムディスプレイ、そこに表示されていた写真に写っていた人物は、以前レイと訪れたバーで健二に話しかけてきたあの男だったのだ。

「この人、前にレイが外に連れて行ってくれたとき、バーで俺に話しかけてきた人ですよ!」

 健二は衝撃と興奮のあまり、写真を指差しながら訴えるように叫んだ。

「なんだって?」途端に、レイが顔色を変える。「マジかよ?」
「ああ」

 健二は強くうなずくと、さらに近寄ってレイとゆかりの間に入ることで彼らの輪に加わり、もう一度じっくりと写真を眺めた。間違いない。あの男だ。
 際立った特徴の無い、平凡な顔立ちをした東洋人の男。年齢は二十代半ばから後半くらいの間だろうか。あのときも間近で見た一重まぶたの目は、涼やかながらも冷たい印象を受ける。薄幸そうとも表現できるような、どこか影を感じさせる雰囲気だ。あのときは店内が暗かったので気がつかなかったが、右目の下に泣きぼくろがある。

「バーで話しかけられたって、どういうことだよ?」今度は劉が訝しげにたずねる番だった。
「六月の初めに、レイが『ラ・スパツィオ』っていうバーに連れて行ってくれたとき、少しの間レイと離れて一人になった時間があって――」

 健二が話しながらレイを見ると、彼が補足を入れた。

「俺が、アンチ・テクニシズムの不穏な活動について何か知ってそうな二人組を見つけて、話を聞きに行ってた間です」
「レイが戻ってくるまで、俺はバーのカウンター席で待ってたんですけど、そのとき、俺の隣に座って声をかけてきた人がいたんです」

 健二はそのときの出来事と、黒づくめの男――目の前の写真の人物と話した内容を説明した。

「おいおい、そんなことがあったならすぐに言ってくれよ! そしたらそのとき調べられたのに」
「すみません。そこまでたいした話をしたわけでもなかったので、つい、緊張していたせいで俺が疑わしく感じてしまっただけなのかもしれないと考えてしまって……」

 あのときは極度の警戒心が初対面の男を実際以上に不審に見せているのかと思ったが、レイのことを尾行していたとなれば、これはもう怪しい人物以外の何者でもない。
 劉だけでなく、同じくこの件を初めて聞いたらしいゆかりやアマンダも衝撃を受けているのが、その表情からうかがえた。

「すいません……ボスには報告したんですが」レイの方も素直に謝った。

 確かにクレイグには報告し、念のためにレイがあの日の入店者履歴を調べもした。だが、特に犯罪歴のあるような人物やデータに不自然な点のある人物はいなかったことで、しばらく様子を見るということになったのだ。何より、あのときはアンチ・テクニシズムの集会のことがあったため、そちらに時間をかける余裕が無かった。それで、ゆかりたち他のチームメンバーへの報告も成されないままになってしまっていたのだろう。

「あの頃は文芸交流センターに潜入する作戦の準備で手一杯だったし、そのあとも今度は事件の処理とかいろいろあって、みんな忙しかったものね」

 それらの事情に納得したように、ゆかりが一人うんうん、とうなずきながら言った。

「で、この男は何者なんすか?」と、レイが改めて劉にたずねる。
「桜木聖也。二十八歳。独身。都内在住で、職業は中学校の教師」

 表示されている資料に記されたデータを読み上げたあと、劉は顔を上げてまっすぐにレイを見据え、続けた。

「この男が、君の後をつけてるところを見たんだ」
「俺の後を?」レイが目をしばたたく。
「ああ。気がつかなかったのか?」
「はい、まったく……いつっすか?」
「ほら、この間僕が別の仕事の調査で外に出てたとき、街中で偶然会っただろ? あのときだよ」
「あのときって、歩道でほんのちょっと話しただけですよね? よく、この男が俺の後をつけてるってわかりましたね。マジで俺を尾行してたんすか?」
「実は、交差点のところで声をかける前にも一度、君を見かけたんだよ。旅行代理店に向かう途中で車を停めて待機してるときがあったんだけど、それが君の家があるビルの近くで、ちょうどビルに入っていくところを見たんだ。そのとき、君の少し後ろから歩いてきてたこの男も、続いてビルに入るのを見た」
「マジっすか! 全然気づかなかったというか……意識してなかったです」
「あの辺りは人通りが少なかったから記憶に残ってただけで、僕もその時点では特に気になったわけじゃないんだけど、そのあと交差点の近くで話してるときも、同じ男が少し離れた建物の影に立って、こっちを見てるのに気がついたんだ」
「もしかして、俺の後ろを見てたと思ったのはそれだったんですか?」

 劉がうなずく。当然、横で聞いている健二は彼らの言う状況を直接見ていたわけではないので想像を巡らせるしかないが、話の流れで大体は理解できた。

「僕と目が合ったら、相手は急に身を翻して去っていった。こっちを警戒してるような目つきだったし、その行動が怪しいと思ったんだ。もちろん、それだけでレイの後をつけてたと断言できるわけじゃないから、ほとんど勘なんだけどな」
「でも、前に健二が会ったことあるっていうなら、レイのことを尾行してたのはほんとっぽいよね」

 アマンダが言い、皆が同意を示して首を縦に振った。

「だとすると、たぶん尾行をやり慣れてない素人だと思う。実際、職業は教師だし」
「この人も阿久津賢士の関係者なんですかね?」

 誰に問いかけるべきか決めかね、健二がその場にいる全員を見回すように視線を動かしながら疑問を口に出すと、劉がうなずいた。

「ああ。レイに心当たりがあるわけじゃないなら、ただの中学の教師がSGAの捜査員であるレイを尾行する理由なんて無いだろうから、このタイミングならまずそう見て間違いないと思うけど」
「じゃあ、俺に話しかけてきたのも、最初から俺のことを探るつもりで……」

 健二は状況を整理しようと考えながらも、自分がとんでもない過ちを犯したのではないかと不安になってきた。しかし、神妙な面持ちのゆかりが落ち着いた口調で口を挟んだ。

「でも、阿久津賢士は私たちが研究所での作戦を決行するまで、健二くんの存在を知らなかった。もちろん、彼の言い分を信じるのなら、の話だけれど」
「そうすると、こいつは健二と会ったっていうときも、最初はレイの方を尾行していたんだろうな。それで、たまたま一緒にいた健二に声をかけるタイミングがあったから、レイやSGAについて何か情報が得られないかと思って近づいてきたのかもしれない」

 顎に手を当てながら、劉がゆかりの言葉を引き継いだ。それから、彼は健二に目を向け、射抜くような真剣なまなざしでじっと見つめてきた。

「本当にこの男だったんだな?」
「はい、間違いないと思います」

 健二はやや緊張しながらも、確信を持って答えた。

「レイについて聞かれたり、拠点のことを話すようなことは無かったんだよな?」
「はい。本当に、当たり障りの無い世間話のような会話に相づちを打ったり、うまくしゃべれたかは自信が無いんですが、いろいろごまかしながら適当に答えていただけで……あ、俺の名前は聞かれましたけど、とっさにSGAが用意してくれた偽の個人認証カードのことを思い出して、そこに登録されてる安達健一っていう名前の方を名乗りました」
「へえ、やるじゃん健二!」

 アマンダが感心したような声を上げた。特別に褒められるようなことでもないと思った健二は、アマンダに向けて微笑を浮かべつつ「そんなことは……」と否定しかけたが、それを劉がさえぎった。

「いや、でもそれはほんとにナイスだったと思う」
「ああ、そのおかげで阿久津賢士に健二のことを知らせる時期や場所を、こっちに不利にならないようコントロールすることにも成功したんだからな。さすがに健二がそのとき“阿久津”って名乗ってたら、あのじいさんが何か勘づいてた可能性は高えし」

 レイも笑みを浮かべて同調する。それはまさにその通りだと思った健二は、深くうなずいた。そして、再び目の前に表示されている男の写真を見つめて、次に傍らに立つレイを見上げた。

「やっぱり、この人も洗脳されてたのかな?」

 レイは「どうだろうな……」と顔を曇らせた。その呟きを最後に、皆しばし、思案顔で押し黙ってしまう。少ししてから、レイがその沈黙を破った。

「とにかく、この男のことは早急にもっと詳しく調べなきゃいけないっすね」
「このあとすぐにボスに報告して、もう一度最近の監視カメラの映像で足取りを追えないか、検索をかけてみる。行動パターンとかもわかるかもしれないしな。あと、『ラ・スパツィオ』の入店者記録も改めて確認しておくよ」

 レイと劉は目を合わせてうなずき合った。

「とりあえず、これから外を移動するときは誰かに後をつけられたりしてないか、気をつけといた方がいい」
「不用意に出歩かないことっすね」
「こいつの他にも阿久津賢士がSGAを調べさせるために使ってる人間がいるかもしれないから、近づいてくる奴にも要注意だな」
「私たちも気をつけます」

 心配げに眉を寄せながら、ゆかりが言った。

「それにしても、確証というか、この桜木って男が俺を尾行してる確かな証拠は無かったのに、よく調査の許可が下りましたね。どうやって申請したんですか?」

 先ほどまでの緊張感は消え去り、いつもの明るいトーンの声に戻ったレイが、劉に顔を向けて言った。

「そこは適当に、事件に関係のありそうな人物ってことで」
「もし何の関係も無い一般人だったらどうするつもりだったんすか?」
「そのときはそっと無かったことにしておきたいけど……バレたら怒られるだろうな」

 二人が笑う声を聞きながら、健二は再び、ホログラムディスプレイが映し出している資料を見た。写真の中の男を見つめ、彼とバーで話したときのことを思い返すうちに、健二は胸にかすかな不安が漂ってくるのを感じていた。



>> To be continued.



ずいぶん長くお待たせしてしまってすみません!

ようやく、レイ・虎太郎・シンディーの元親友三人組の関係や過去について、少し触れられるところまでやってきました!
そして、バーで接触してきた男の正体もわかりました。

今回はほとんどがかなり前から詳しく考えていた場面や展開で、戦闘描写も無かったにも関わらず、なぜかすごく書くのが難しかったです…特に回想シーン!
まあ、書くのが難しいというのはいつも言っているような気もしますが(笑)
自分の状態などの理由もありますが、小説を書き慣れていなかった「第一話」の最初の方を除けば、おそらく今までで一番書くのに時間がかかったと思います(一ヵ月半以上です)

同時に、また前回以上の長さにもなってしまってるんですけどね(笑)
現在は一話を六分割で統一していますが、あまりにも一回の文字数が多すぎて(なかなか完成しないことから)私のモチベーションが途中で下がってくるので、「第六話」以降は一話を何分割にするかは固定にせず、だいたい今の半分くらいの長さまで書いたら切りの良いところで区切る形式に変更しようと考えています。
また、次回の06更新時に詳しくお知らせします。

とにかく、今回も無事に更新できて良かったです!
読んでくださった方、本当にありがとうございました!!
四苦八苦しながらもがんばっています(今後もがんばっていきます)ので、少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです。

読者数の参考にしたいので、小説を読んでくださった方は各記事の拍手ボタンを押していただけますと助かります。
もちろん強制ではありませんので、気が向いたらで構いません!


未来への追憶 第五話 - 04

 日向虎太郎とシンディー・オルコットは、その場にいる大勢の視線を受けながら、建物の少し前まで進み出てきて足を止めた。
 レイの胸に、二人の命が無事だったという安堵感と久しぶりの再開ゆえの懐かしさ、そして恐怖が同時に込み上げてくる。
 虎太郎の切れ長のつり目は、冷たく鋭い眼光をこちらに向けているものの、顔はまったくと言っていいほどの無表情だった。ベールに顔を囲まれ、うつむき気味に立っているシンディーの方は、よく見るとうっすらと微笑を浮かべている。しかし、目だけは不自然に虚ろだ。

「お姉ちゃん!」

 アマンダがひどくショックを受けたような甲高い声で叫んだが、シンディーは妹の声に何の反応も示さない。
 やはり、SGAが予想していた通り、虎太郎とシンディーも洗脳を受けているのは間違いない。
 いつの間にか、フランツとかおるは道を空けるように左右に分かれていた。その後ろに、虎太郎とシンディーが佇んでいる。今、レイたちの目の前に、阿久津賢士に拉致された被害者が全員そろっていた。

「クレイグさん……」

 武装隊員の一人が、不安げにクレイグに呼びかけた。
 被害者であり、敵でもあるフランツたちは、まだ誰も武器を構えていない。一見、かおるやシンディーは武器を所持してすらいないように見えるが、虎太郎の袴の腰帯には、日本刀の鞘のようなものが差されているのが確認できた。フランツにだってまだナイフがあるし、彼らの背後の研究所に戻りさえすれば、他にもたくさんの武器があるだろう。
 まさか今日、虎太郎やシンディーまで姿を見せるとは思っていなかった。健二の存在なくして阿久津賢士に立ち向かうのは、これまで通りSGAにとってあまりにも不利となるため、この場で被害者の救出を試みるという選択肢は無い。しかし、虎太郎たちの身体能力がフランツやかおると同等かは定かでないが、いくらSGA側の人員が増加されたとはいえ、一度にこの人数を相手にすれば勝算が見込めないどころか、無事に撤退することも難しいかもしれない。
 レイも不安を覚え、横目でクレイグの顔をうかがった。研究所を睨みつけるようにして押し黙っていたクレイグは、しばらく沈黙を保った後、口を開いた。

「ここで争うつもりか?」阿久津賢士に向かって、険しさを帯びた声音でたずねる。
「いいや」すぐに阿久津賢士の声が答えたが、彼は間を空けてさらに続けた。「まあ、それは君たち次第、とも言えるが」

 クレイグの眉間に刻まれたしわが深くなる。

「我々の目的は先ほど話したのと変わりない。お前に話があって来ただけだ。そちらが手出しをしない限りは、こちらも何もする気は無い。少なくとも、今日のところはな」
「では、君たちの言う、その話とやらを聞かせてくれないか」

 阿久津賢士は相変わらずのんびりとした調子でそう返してきたが、SGAが単なる説得のために来たのでないことは信じる気になったようだ。

「さっきも言った通り、伝えるべきことを話し終えたら我々はここを立ち去る。お互い、今夜はもうこれ以上、戦闘へ発展するような行いはしない――そう、約束してくれ」

 クレイグは一言一言を丁寧に発音するように、落ち着いたトーンでゆっくりと言った。
 今度は、返答が返ってくるまでに時間があった。濃い緊張感が漂う中、敵側の面々はこちらに視線を注いだまま、銅像のようにじっと動かない。かおるだけは時折、飽きたように姿勢を変え、ゲートの縁に体をもたせかけたり腕を組んだりしていた。
 ゆうに数分は過ぎたのではないかと思うような長い静寂を挟んで、阿久津賢士の低い声が響いた。

「わかった。約束しよう」

 レイは唾を飲み込んだ。阿久津賢士がSGAの要求を承諾した。もちろん、彼の言葉が無条件に信ずるに値しないものであることは明らかなので油断はできないが、これで自分たちの目的を果たすことができる。こう着状態だった状況が、自分たちと阿久津コーポレーションの輪に健二が加わることで、ついに変わるときが来るかもしれない。
 クレイグは通信機のマイクをオンにしようと、左耳に装着しているイヤホンと一体型の機器に手をやったが、そこでまたわずかに迷うような間があった。研究所の方に据えた目は、最後の様子見をしているようにも思える。

「待機二班」やがて、クレイグは通信を繋いで言った。「研究所の前へ」


* * *


 車は建物の合間の暗い通りを流れるように進んでいく。健二は後部座席で前のめりになり、ひざの上で両手を握りしめていた。
 いよいよ、自分の出番がやってきた。胸の辺りがざわざわとうごめくような感覚で落ち着かない。のどは渇ききり、拳を作る手のひらは異常なほどの量の汗で濡れていた。
 前の席から、健二とは初対面である犯罪捜査部の職員が振り返った。

「いいですか、どんなときでも必ず、私たちやクレイグさんの指示に従ってください」

 もしかしたら、以前に健二が独断で行動してしまったことをクレイグから聞いて知っているのかもしれないが、彼は強く念を押した。

「はい」健二はうなずきながら、やっとのことでかすれた声を絞り出した。

 研究所の正面に待機している仲間のSGAの背後に出られるよう、車は一度後退しつつ最初に待機していた地点へ戻り、さらに南へ移動してから大通りを目指している。先ほどクレイグが指示を出したため、本部から到着した武装部隊の応援チームも、健二たちの車の後ろから少し距離を空けてついてきていた。
 実際にスピードはそれほど出てはいないのだろうが、健二は自分を乗せた車が研究所へ向かって走るのが、やけにゆっくりに感じられた。
 大通りに出ると、阿久津コーポレーションの巨大な研究所が目の前に現れる。先ほどは闇に沈んでいた敷地内に照明が灯り、研究所の周りだけが明るく浮かび上がっている。夜の町の中で、そこだけが異空間のようだった。
 車は歩道に乗り上げながら、通りを塞ぐSGAの車を避けてその右側に出ると、二台の車の横で停車した。

「車から降りて、私の後ろへ。様子を見ながら慎重に進め」

 通信機の向こうから、クレイグの命じる声がする。
 健二は、SGAの本部を出る前にゆかりに渡されていた小さな器具をスラックスのポケットから取り出し、右手でしっかりと握った。

「絶対に私たちから離れないでください」

 車を降りる直前、またもや武装部隊の隊員の一人に言われ、健二は言葉の意味を理解する余裕も持てないままに、首を縦に振った。
 犯罪捜査部の男を一人車に残し、健二と武装隊員たちはともに車の外に出た。研究所の周囲に何人もの人間が集まっているが、人数の割りに外は静かだった。そして、ビリビリと肌に感じられるほど、辺りの空気が張り詰めているのがわかる。
 この時代に来てからは現実離れしたことばかり目にしているが、それでも研究所とその周囲だけは切り取られた夢の中の世界のような、異様な雰囲気だ。向かい合って立ついくつもの人影や、やたらに明るい照明のせいもあるのか、映画の撮影でもしているかのような錯覚を覚える。自分はさながら、今からその舞台へと足を踏み入れる主役にでもなったような気分だった。

「行きましょう」先ほど車内で声をかけてきた隊員に小声で促される。

 健二は三人の武装隊員に周りを囲まれるようにして、眼前で自分を待ち受けている光景に向かい、一歩、二歩とゆっくりと歩みを進めた。逆光で正面ゲートの周辺に立っている人々の顔は見えづらかったが、何人もの視線を浴びているのが感じられる。とっくに興奮状態を極めていた体から、なおもアドレナリンが放出される。
 前へ進むために動かしているはずの手足はふわふわとしていて、他人のもののように感覚が無い。まるで体が自分の意思とは関係無く、勝手に動いているかのようだった。
 正面ゲートの前に立っているSGAメンバーのところまで近づくと、こちらに背中を向けて一列に並んでいる、レイやクレイグたちの姿が見分けられた。隣を歩いていた隊員に手振りで指示され、健二は彼らが立つ位置からいくらか下がった場所で立ち止まった。
 体を傾けて健二の様子を確認していたらしいクレイグが、研究所に向きなおる。

「彼を呼び寄せたのはお前なのか?」

 クレイグが研究所の方に向かって問いかけるのが、彼の背中越しに聞こえた。

「お前には、この男が誰かわかるだろう?」

 健二を手で示しながら、クレイグが質問を重ねる。健二は緊張のあまり頭のどこかが麻痺でもしたかのように、未だ現実感を持てずにそれを聞いていた。

「いや、わからんな。私が呼んだとはどういうことだ」

 冷淡さが伝わるような、温かみの無い老齢の男の声――阿久津賢士の声だ。その声に、まだ記憶に新しい様々なイメージや感情が脳裏によみがえり、健二はぞっとした。
 次に、クレイグは少し間を取ってから、すべてを阿久津賢士に知らせるための決定的な事柄を口にした。

「彼を、この時代にタイムスリップさせたということだ」
「タイムスリップだと? 何を馬鹿な……」阿久津賢士が鼻で笑った。

 健二はそこで再び歩を進め、クレイグの斜め後ろまで近づいた。健二の姿を覆い隠すように落ちていたレイやクレイグの陰から出たため、外灯によって顔が明るく照らされる。大きく息を吸ってから、健二は乾いた唇を動かした。

「俺は――阿久津健二といいます」

 顔も見えない相手に向かって告げる。てっきり頼りなく震えてしまうだろうと思っていた自分の声は、思いの外しっかりしていた。

「あなたの……曽祖父にあたる人間です」

 一拍置いてからそう続けると、周りを流れる空気が凍りつき、場の緊迫感が高まった。

「何だと」阿久津賢士の声色が硬く変化した。
「俺は、一ヵ月半ほど前の五月十二日、この2148年にやって来たんです。133年前の、2015年から」

 一気に言って口を閉じると、自分の声が途切れた途端、辺りがひどく静まり返っているように思えた。沈黙が続く。
 距離が縮まったことで、今はフランツやかおるが無感動にこちらを見つめているのもはっきりと見て取れた。

「もちろん、私たちもタイムスリップなどにわかには信じられなかったが、DNA鑑定などで詳しく調べていくと、タイムスリップという超常現象が現実に起こったことを受け入れるしかない結果が出た」

 クレイグはそう補足したあと、「これがその証拠だ」と言って健二に目を向けた。
 それが目での合図だと理解した健二は、スーツのジャケットとシャツの左袖のボタンを外し、ひじの上まで捲り上げた。次いで、右手に握り込んでいた器具を左腕に持っていく。
 事前に何度も使い方を練習したその器具は、緊急の検査などが必要な際に医師免許等を持っていないSGA職員でも使用できる、血液を採取するための道具だ。健二がタイムスリップして来た直後、ゆかりが健二の血を採るのにも使っていた物だった。
 汗で濡れた手のひらでは、器具がすべって上手く扱えないのではないかと心配していたが、不思議と汗はずいぶん引いており、今は肌の表面が軽く湿っている程度だった。
 練習通り左腕をまっすぐに伸ばし、器具の先端をひじの内側に当てる。チクリとした痛みが柔らかい皮膚を襲った。それに耐えて器具をそのまま腕に押し当てていると、半透明の筒の中に血液が溜まっていくのが見える。筒の中の血が一定の量に達すると、皮膚を刺している針が自動で腕から抜けるので、健二はそれを待ってから腕に当てた器具を離した。筒状の容器になっている部分を器具から取り外し、さらに一歩前へ踏み出す。そして、敵から視線を外さないように注意しながらかがみ込むと、研究所に向け、自身の血が入った筒を勢いをつけて転がした。健二の手を離れた細長い筒が、コロコロという小さな音とともに地面を転がっていく。


* * *


 阿久津賢士は、椅子の上で大きく身を乗り出していた。体を支えるため、肘掛けを強く掴んだ両手が激しく震えている。
 正面のディスプレイに映る濃紺のスーツを着た若い男が、カメラを通してではなく実際にすぐ目の前に立って、自分を見つめているように感じられた。
 SGAのマーカス・クレイグが話し始めたときは、いったいどんな奇妙な作戦を考えたのだと、半ばあざけるような気持ちだった。スーツ姿の男が車から降りてきたときも、最初は本当に誰かわからなかった。
 ところが、数歩前に出てきて光を受けた彼の顔を見た途端、驚きに心臓がドクンと脈打った。

「以前、レイモンド・ストレイスと一緒にいるところを見かけた男です」

 賢士のいるモニタールームに繋がっている通信機の一つから、部下の一人である男の声が知らせてきた。だが、その静かな声は今の賢士の耳には入らない。
 スーツを着た東洋人の男の顔は確かに、何度も――いや、何度もどころではない、いつもいつも見つめ続けていた写真に写っていた、若い頃の曽祖父の顔だった。顔くらいなら、日本中を探せば瓜二つの人間が存在するかもしれないし、もとより整形手術などでいくらでも変えられる。
 しかし、賢士の中に切ない郷愁を呼び起こす彼の目が、その可能性を否定した。懐かしく温かい祖母の目が、彼の目に重なる。力強い芯を秘めながら、優しい光にあふれた目。
 わざわざDNA鑑定などで調べなくてもわかる。SGAに連れられてやって来たあの人物は、阿久津コーポレーションの創設者であり、賢士の曽祖父でもある、阿久津健二本人なのだ。正常な感覚を持っていれば信じがたいことだったし、論理的に説明できるような根拠など無い。それにも関わらず、賢士はまるで頭上で強烈な光が閃き、脳天を雷で打たれたかのような衝撃とともに、そう確信した。次の瞬間、今度は興奮が体を突き抜けるような勢いで湧き上がってくる。

「奇跡だ……」

 耳に届いた自分の声を聞いて、賢士は自分が頭の中の呟きを無意識に声に出していたことに気がついた。
 賢士に寄り添うように椅子のすぐ脇に立っている少女を見上げると、彼女もグレーに近い薄い青の瞳に賢士を映していた。賢士が震えの収まらないしわだらけの手を差し伸べると、少女の方も手を差し出してくる。彼は繊細な壊れ物を扱うように、その小さな手をそっと包み込んだ。祖母が死んでからはずっと、彼女の存在が賢士の心のよりどころとなっている。

「これで、すべてがそろった。……いよいよだ、ハンナ」

 少女に向けてささやくように言った声には、明らかな高揚の色が滲んでいた。
 まさか彼が、このタイミングで自分の前に現れるなんて。彼と自分が出会うことは、本来なら絶対にあり得ないことだった。それなのに、タイムスリップという超自然的な現象によって、それが可能となった。これは自分のために起こった奇跡としか思えなかった。
 やはり、自分のやっていることは正しいのだ。見えない力が、自分に味方をしている。
 賢士は、衝撃が次第に打ち震えるような強い感動へと変化していくのを感じながら、少女の手を握る老いた左手にわずかに力を込めた。


* * *


 健二の血を入れた筒は、速度を落としながらもまっすぐに転がっていく。フランツが、自分の足元まできて止まりかけた筒を拾い上げた。
 健二はその様子を固唾を飲んで見守っていた。
 阿久津賢士は未だ黙ったままだ。彼がこのことを――健二の存在と、自分の祖先がタイムスリップして過去からやって来たという話を、どう受け止めたのかわからない。

「DNAの検査装置くらいは研究所にあるんだろう。その血を使い、今私が言ったことを、自分で調べて確かめてくれ」しばらくして、クレイグが再び口を開いた。「彼は現在、我々の方で極秘に保護している。最初に発見されたのが、SGAの所有する敷地内だったからな」

 彼は相手の反応をうかがうように一旦言葉を切ったが、阿久津賢士は何も言わなかった。

「初めはお前が差し向けたスパイではないかと疑ったが……この件に関して、お前は本当に関与していないんだな?」
「ああ」

 ようやく、賢士の短い答えが返ってきた。感情も、考えも読めない声だ。
 だが健二は、先ほどの賢士の驚きは本当ではないかという気がした。彼の態度には嘘も演技も無く、たった今初めて健二の存在を知ったのだ。漠然とではあるが、健二は直感的にそう思った。

「なにぶん前例がないため、彼の扱いを今後どうするかはまだ決まっていない。ただ、こんな状況でも、阿久津健二と血縁関係にあるお前には知らせておくべきだと思ったんだ」クレイグは慎重に言葉を継いだ。「処置が決定すればまた改めて話し合うことになると思うが、当面はSGAの方で保護を続けるつもりだ」
「ああ」

 やはり阿久津賢士の反応は鈍い。相手がどう出るか予想ができずに警戒を強めたためか、下ろしたままの麻酔銃を固く握りしめているクレイグの全身の筋肉に力がこもるのが、後ろにいる健二にもわかった。
 SGA側がしばし黙って待っていても、阿久津賢士はこれ以上しゃべりそうにない。かと言って、約束を反故にして今すぐ攻撃を仕掛けてくるつもりであるようにも見えなかった。

「我々の話は以上だ。約束を守ってくれ」クレイグが気迫を込めた強い声で言った。
「そうだな」

 賢士の返事を合図とするかのように、正面ゲートの奥に立っていた見知らぬ男女がくるりと踵を返した。顔での判別はできないが、車で待機していたときに聞いていた通信での報告から推測するに、おそらく日向虎太郎とシンディー・オルコットだ。
 彼らが研究所の建物に入ると、ゲートの横開きの扉がスライドし始めた。フランツとかおるもこちらに向けた注意はそらさず、一歩ずつ後ずさってゲートの内側へ戻ってゆく。

「礼を言おう」

 ゲートが閉まる直前、最後にそう言った阿久津賢士の声が、扉の間をすり抜けてきた。そして、金属が触れ合う鈍い音を一つ響かせ、ゲートは再び閉ざされる。同時に、街灯だけを残してすべての照明が消え、急に現実世界に引き戻されたような感覚を覚える。あとに残ったのは静けさだけだった。
 しかしその静けさは長くは続かず、次の瞬間にはもう、通信でお互いにやり取りをするSGA職員や武装隊員たちの声が、イヤホンから次々に流れ始めた。研究所の方を向いて固まっていた人の群れも動きだす。
 ふと、健二の前に立つレイの姿が目に留まった。彼はひととき、研究所を見つめたまま立ち尽くしていた。その横顔は寂しげで、どこか怒っているようにも見える。彼にとって虎太郎とシンディーはとても大切な存在だったようだ。敵の一員となった親友を見て、何も感じないわけがない。彼の複雑な心境は容易に察せられた。
 レイに声をかけるべきか迷ったが、そのとき背後がざわついているのに気がつき、健二の意識はそちらへ向いた。振り返ると、いつの間にか応援チームの車も健二の乗ってきた車両のそばに停まっており、背後には思っていたよりも大勢の武装隊員たちがいた。それぞれ周囲に目を配ったり、通信で報告をしたり、車を発進させる準備をしたりしている。彼らに歩み寄ったクレイグが何か言っている。
 終わったのだ。作戦の第一段階は無事に成功した。そう理解して体の力がいくらか抜けると、どっと疲れが出たのか頭がぼんやりとしてきた。
 健二は動き回る武装部隊に向けていた視線を、何気なく上方にずらした。大通りの向こうに立ち並ぶ建物の上端と、弱い星の光が点在する漆黒の空が視界に入り――ぎょっとして思わず呼吸が止まった。大通りと交わる正面の道路沿い、大通りから二つ奥のビルの屋上に、何かがいたのだ。
 人影のようにも見えるそれは、黒いフード付きのローブを纏っていた。足元まである長いローブがかすかな風にそよいでいる。遠目だったが、頭をすっぽりと覆うフードの下で、白く月光を反射する顔がちらりと見えた。
 そのシルエットとその顔――身の毛がよだつ骸骨の顔は、イラストなどでよく目にする西洋の死神の姿そのものだった。

「あ、あれ……!」

 健二は思わず、ビルの上の影を指差して叫んだ。その声に反応して皆が一斉に振り返り、健二の人差し指が指し示す方向を仰ぎ見る。しかし、そのときにはすでに不気味な黒い影はさっと身を翻し、闇にまぎれ込むように姿を消した後だった。

「どうしたんだよ?」何も見つけられなかったレイが、訝しげに眉を寄せた顔を健二に向けてたずねてくる。
「あ、あそこのビルの屋上に今、死神みたいなものが……」
「し、死神!?」

 健二が見たものを正直に伝えると、レイは頓狂な声を上げ、たった今健二が指差した方角に再度目をやった。彼はそのまま軽く笑みを受かべてみせたが、その口元は引きつっている。

「し、死神なんて……んなもん、マジでいるわけねえだろ? 健二の見間違えじゃねえのか?」
「そ、そうだよな……」

 タイムスリップが非現実的であるのと同様、創作物や伝説の中の死神は実在しないという一般的な常識も、2015年と変わらないようだ。

「レイ、もしかして怖いのか?」

 左耳のイヤホンから劉のからかうような声がして、会話に加わってきた。

「そりゃ、怖いっすよ!」レイはむきになったように声を張り上げたあと、「俺、お化けとかそういうの駄目なんすから……」と、弱々しく付け足す。寒いどころか蒸し暑く感じるくらいの気温であるのに、肩をすぼめた彼は、ロングコートに包まれた両腕をさすっている。そこにはさっきまでの思いつめたような様子は無く、すでにいつものレイに戻っていた。
 死神はお化けとは違うのではないか、と思いながら、健二はもう一度ビルの上を見た。

「今監視カメラの映像で確認してるけど、その辺りには怪しいものは何も映ってないみたいだけどな。まあ、ちょうどカメラの死角にいたのかもしれないけど」

 レイを冷やかしながらも、任務は真面目にこなしているらしい劉の声が聞こえてくる。彼の言う通り、もはやビルの上には死神――本当にそんなものがいたとすればだが――の影も形も見当たらなければ、周辺で何かが動くような気配すらも無かった。急に健二も寒気に襲われ、身震いをする。
 本当に見間違えただけならそれに越したことは無いのだが、そうでないなら気味が悪いし、目撃したものが死の象徴とも言える存在だけに、不吉で嫌な感じだ。

「早く車に戻るんだ」

 健二がビルを見上げたままなかなか動こうとしないため、クレイグが周囲に目を走らせながら言った。

「はい」健二の代わりにレイが答える。彼に「行くぞ」と背中を押されて、健二はレイたちが乗ってきた大型の車の方に向かった。帰りは捜査チームの面々と同じ車に乗ることになっている。

「念のため、ビルの付近を調べますか?」ゆかりがクレイグにたずねる声が聞こえた。
「いや、今ここに残っていれば、阿久津賢士に約束を違えているとも思われかねない。そうなると危険だ」
「そうですね」

 クレイグは武装部隊の一人の名を呼び、彼のもとに駆け寄った隊員に言った。「熱源感知器で、ビルの外から周辺に人がいないかだけを調べてくれ」

 健二とレイが車に乗ると、続いてアマンダをつれたゆかり、そしてジャン、最後にクレイグが乗り込んできた。

「もし誰かいたんだとしたら、屋上にある出入り口から建物の中に入ったのか? にしては、隠れんのが速えけど……」健二の向かいに座ったレイが、ぶつぶつと独り言のように呟いた。
「なんだったんだろうね」アマンダも横で首を傾げている。
「どうせ見間違いだろ」

 ジャンが心底馬鹿にした声で吐き捨てるように言ったが、今回は珍しくレイも彼と同意見のようで、誰も何も言い返さなかった。
 ジャンの運転で車は発進し、武装部隊の車も一台、その後ろに貼りつくようについてくる。車が大通りをUターンして、商工業地区をまっすぐに伸びる道に入ったとき、通信で武装部隊からの報告があった。

「クレイグさん、先ほどのビルやその付近には誰もいないようです」
「わかった。すぐに引き上げろ」

 そう応答してから、クレイグは前部座席で体をひねり、健二と目を合わせた。

「そういうことだが……明日以降、また綿密な調査をしてみよう」

 健二は声を出さずにうなずくことで返事をした。
 死神らしき影が屋上に立っていたビルの横を車が通りすぎるとき、健二は窓越しに頭上を見上げてみた。しかし、やはりビルの上には何もいない。
 車は徐々に走る速度を上げ、阿久津コーポレーションの研究所はどんどん遠ざかっていく。今も、背後にかすかに見えている研究所の明かりは消えたままだ。誰かが追いかけてくるような気配も無い。研究所から離れるにつれ、胸の中の安心感が膨らみ、緊張が解けたことで疲労感が募っていく。作戦は無事にやり遂げられたのだと、改めて実感した。
 だが、車が本部に戻り、それから地下トンネルを通って無事に拠点に帰り着くまで、高ぶった気持ちはずっと体を満たしたままだった。


 朝の気配を感じて目を開けると、カーテンを通して柔らかい光が部屋に差し込んでいた。視界に映っているのは現在の自分の部屋として馴染みつつある、健二にあてがわれた拠点の一室だ。枕元のホログラムの時計を表示させると、時刻は六時を少し過ぎたところだった。アラームをセットした時間よりはいささか早いが、起床にはちょうど良い時間だったし、すでに頭はすっきりと覚醒していた。
 健二はベッドの上で上体を起こした。この部屋にもともとあった質の高い寝具を使っているのに、体は強張っていて、上半身をひねるとあちこちが軋むように痛んだ。爽やかな朝だというのに、思わず顔をしかめてしまう。ベッドに腰かけたまま一度大きく伸びをしてから、健二は立ち上がって窓辺に寄った。
 カーテンを開けると、眼下の庭を囲む塀と、その向こうに道路を挟んで立つ戸建ての家などが見える。高級住宅地なのかこの辺りの家はすべて大きく、立派な造りをしていた。前の道には人や車の通りも無く静かで、小鳥のさえずりだけが聞こえている。家々の屋根の上には雲の少ない薄い青色の空が広がっていた。気持ちの良い晴れで、昼間は暑くなりそうだ。鳥が一羽、目の前の窓枠のすぐ向こうを横切っていく。
 今日もこれまでと変わらない、平和な朝だ。健二は胸をなでおろし、外の景色を眺めながら深呼吸をした。
 阿久津コーポレーションの研究所に行ってから、すでに三日が経っていた。SGA本部でも拠点でも警戒を続けていたし、健二も敵が拠点に攻め入ってくるのではないかと怯えていたが、今のところそういったことは何も起きていない。あの日以降に発生した事件の現場にも阿久津賢士の仲間は現れていない。クレイグによれば、賢士からのメッセージと思われるようなものもどこにも届いておらず、特に変わったことも無いそうだ。
 だが健二は、フランツやかおるが拠点にやって来て、平穏が引き裂かれる夢を毎日のように見た。凄惨な戦闘が行われ、最後には彼らの手が自分に向かって伸ばされるのだ。窓の外を見ていた数分の間に忘れてしまったが、今日もそんな夢を見ていたような気がする。目覚めたばかりなのに、体が緊張して疲労を感じるのはきっとそのせいだ。
 健二は身支度をして軽く朝食を済ませたあと、拠点の会議室で行われたミーティングに出席した。内容は主に、二十五日の作戦決行中、研究所の近くに現れたという若者のグループについての報告だった。彼らに詳しく話を聞いたところ、彼らはアンチ・テクニシズムのメンバーというわけではなく、その真似事をしていただけらしい。自分たちの憂さ晴らしと楽しみのために、阿久津コーポレーションとSGAが対峙していたことも、あの地域に立ち入り禁止の命令が出されていたことも知らず、単なる思いつきで研究所の塀に落書きをしようと企てていたということだ。若者の一人が研究所付近の商工業地区にある会社の社長の息子で、夕方前から定休日だった会社の地下倉庫に仲間とともに忍び込み、酒を飲みながら身をひそめているうちに眠ってしまった。そして、深夜になって外へ出たところ、フランツに見つかって襲われたというわけだった。

「まったく、人騒がせっつーかなんつーか……」

 ほとんど空になった食器を前にして、フォークとナイフを置いたレイが嘆くように言った。
 ミーティングが終わったあと、ゆかりとジャン、クレイグはすぐに本部へ帰ったが、レイとアマンダは拠点に残り、久しぶりに健二も交えた三人で拠点のダイニングテーブルを囲んでいた。今日の昼食は洒落たカフェで出てくるメニューのような、キッシュとサラダとスコーンが皿にきれいに盛りつけられたものだった。

「でも、助かってよかったよね」

 いつものようにレイの隣に座るアマンダも、食事の手を止めて言う。

「ああ、そりゃそうだ。あいつら助けられたのはアマンダのおかげでもあるしな」レイはそう言ってにっと笑ったあと、神妙な表情を作った。「けど、もうあんな無茶すんなよ?」
「うん」

 アマンダは若者を助けるために大きな活躍をしたらしかったが、研究所へ行った日の翌日、彼女はクレイグに呼び出されて厳しく叱責されたと言っていた。健二はそのときの状況を直接見ていたわけではなく、通信機から聞こえる音声でアマンダに何かあったことを知れた程度で、詳しい状況は何もわからなかった。しかし、ナイフを持った彼女が無謀にもフランツに向かっていった、という話をあとから聞いて、その様子を想像しただけで背筋が寒くなった。クレイグでなくとも怒るのは当然だろう。健二は、自身もこの時代に来て初めて外へ出たとき、レイたちの指示を無視して勝手に車から降り、クレイグに注意を受けたことを思い出した。
 アマンダがフォークをサラダに伸ばして会話が途切れたので、健二はその間に気になっていることをレイに聞いてみることにした。

「その不良グループみたいな若者に、洗脳された人たちと戦ってるところを見られたんだよな? 噂とかで広められたりとか、そういうことは大丈夫なのかな。彼らはもう帰したのかい?」
「いや、まだだ。その件もどうにかしなきゃいけねえ――つまり、あの日見たことは絶対口外しねえってなんとか約束させなきゃならねえし、他のテクノロジー開発系の企業の建物にも落書きされる事件が何件か起きてっからよ、どこまでがあいつらのやったことなのかとかも、一応もっと詳しく聞かなきゃいけねえし。すぐには帰せそうにねえよ。……ったく、ほんと面倒なことになったぜ」レイはうんざりしたように溜め息をついた。
「でも、作戦を開始する前に、研究所の付近に人が残ってないかは確認したんだよな? SGAの武装部隊の人とかでも、誰かがいるのに気がつかないなんてこともあるんだな」
「俺もなんでだって困惑したけど、まさか地下の奥の方に隠れてる奴がいるなんて思いもしなかったんだろうな。地下への入り口はロックされてたっつってたし。熱源感知センサーとかにもある程度近づかねえと引っかからねえし、どっちみち絶対に正確なもんでもねえしな。まあ、全員無事だったから良かったけど……次からはもっと念入りに調べなきゃいけねえってことだ。最近はこういう事件ってあんま無かったからさ、たぶんまだ慣れてねえ隊員もいたんだろうな」
「なるほど……単純なミスみたいなものだったのか」

 レイはコップに注がれていた水を一口飲んでのどを潤してから、また話を再開した。

「まあ、健二が死神を見たっつービルとその周りの建物の方は、次の日にちゃんと隅々までじっくり調べたみてえだけど。それでも、何かがいた痕跡とか、変なもんとかは何も見つかってねえらしいけどな」
「やっぱり、俺の気のせいだったのか……」健二は腑に落ちないながらも呟いた。
「きっとそうだぜ。神経も疲れてただろうし」

 すぐさま肯定したレイの顔はわずかに曇っていた。よほど死神の存在を恐れているようだ。
 だがレイの言う通り、極度の緊張状態にあったのは確かなので、本当に何かの影などを一瞬見間違えただけなのかもしれない。このことは忘れようと、健二は心の中で自分に言い聞かせた。

「そう言えばレイ、今日休みって言ってなかった?」

 健二とレイが話している間に、サラダを少しと小さなスコーンを一つ食べ終えたアマンダが、ふと思い出したといった様子でレイに顔を向けた。

「ああ、そうだぜ。けど、なかなかみんなの都合が合う日がねえからよ、今日は俺が午前中のミーティングだけ参加することにしたんだ。今からはオフだけどな」
「大変だな」

 健二は感じたことを素直に口に出していた。健二も元いた2015年で働いていたときは、残業や休日出勤は何度も経験していたが、それでもSGAの仕事は本当にハードで、誰にでもできることではないといつも思う。常に不規則な勤務で事件が起こればすぐに対応しなければならず、今のように特殊な事件を担当していれば、任務外で危険な目に遭う可能性があることも考慮しなければならない。しかも、少なくともレイやクレイグたちはそれを当然のようにやってのけているのだ。

「別に、たいしたことねえよ」

 レイは笑顔で言うと、再びナイフとフォークを取り上げ、皿に残っていたキッシュを食べ始めた。フォークを口に運びながら、ちらりと上目遣いでアマンダに目をやる。

「アマンダはこのあと本部か?」
「うん。ゆかりが今までに行方不明の届け出があった人たちのリストをチェックするから、それを手伝うんだ」

 タルト生地の最後の一欠片を食べ終えると、レイは席を立った。椅子の背もたれでしわになりかけていた制服の上着を、ばさりと肩に掛ける。

「んじゃ、俺ちょっと出てくるわ」
「いってらっしゃい!」

 アマンダが手を振る。近くに控えていたロボットが、さっそく空いた食器を片付けようと寄ってきた。
 健二はリビングダイニングを出て行くレイの後ろ姿を見送った。彼の頭の後ろで、長い髪とともに、それをまとめる淡いピンク色のリボンが揺れていた。



>> To be continued.



9月中に載せられたらいいなあと思っていましたが、ギリギリ無理でした…!;
読んでくださった方、ありがとうございます!!

今回はだいぶ前から書きたかったシーンが詰まった回でした。
そして、今回こそは短めに収まりそうかなと思っていたのに、結局(最近の)標準よりちょっと長いくらいに…(笑)

最近は一回の文字量が多くなっている関係で更新に一ヶ月前後の間が空いてしまっていますが、
いつも待ってくださっている方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます!m(*_ _)m
前回以前の記事に拍手を下さった方もありがとうございました!とてもうれしいです。

この頃みらつい雑記の方も更新停滞気味ですが、あちらにもまたおもしろいネタを書けるようにがんばりますね!

読者数の参考にしたいので、小説を読んでくださった方は各記事の拍手ボタンを押していただけますと助かります。
もちろん強制ではありませんので、気が向いたらで構いません!


【今頃】HAPPY SUMMER【10/1追記】

happysummer.jpg

本当は暑中見舞いにする予定の絵でした。
残暑見舞いどころか季節はすでに秋だというのに、こんな夏真っ盛りみたいな絵を載せてしまってすみません(笑)

最初はラフのような感じで簡単に仕上げるつもりが、気がついたらがっつり描いていました。

ずいぶん遅れてしまいましたが、だいぶ前に構図等も思いついていてどうっしても描きたい絵だったので、
ちゃんと描き上げることができて良かったです!

【私信】
暑中見舞い交換をご提案くださったSさん、ありがとうございました!(*´▽`)
Sさんのオープンカーに乗ったグラサンボス、最高にカッコよかったです!!///
萌えさせていただきながら、お礼が遅くなってしまってすみません…!
本当にありがとうございます!楽しかったです!^^*


happysummer_up.jpg

顔のアップです。

“気の抜けたボス”というリクエストを頂いて描いたのですが、ちゃんとリクエストに添えていますでしょうか?
ボスの気の抜けたところってなかなか難しく、いろいろ考えた末にこんな感じになりました!
いつもと違う雰囲気のボスが描けて新鮮でした(*´`)

今年の夏は諸事情で本編小説を進めるのに精一杯になってしまい、あまり絵が描けませんでしたが、
最後に夏らしい絵が描けたので(もう夏終わってますがw)満足です!

「第五話 - 03」をさっそく読んでくださった方もありがとうございます!!
長いのに読んでいただけてとてもうれしいです!続きもがんばりますね!


■10/1 追記

今回は嵜山弓さんにイラストの交換をご提案いただいたことが、
暑中見舞いのオフっぽいボスの絵を描かせていただくきっかけとなりました。

許可を頂きましたので、嵜山さんに描いていただいたボスもこちらに掲載させていただきます!
(上記の私信は許可を頂く前だったため、一応イニシャルでの表記とさせていただいていました)

treasure_sakiyamasan02.jpg

クールな大人の男の色気満載で素敵すぎます!!グラサン…!(*´д`)

嵜山さんには以前もボスを描いていただいたことがあったのですが、
存在感がありながらも繊細なタッチのイラストで、どちらのボスもむちゃくちゃカッコいいです!
ご本人がおっしゃっていた通り、今回のボスはちょっと若い感じですね♥( *´艸`)

改めまして、本当にありがとうございました!
二度もボスを描いていただけてすごくうれしかったです!(*´-`)

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